2015年04月08日

●産地によってさまざま

紬は、織りのきものの代表格です。

もともと、生糸にできない不良の繭(くず繭)やくず繭から作った真綿に
手で縒(よ)りをかけて紡いだ糸で織られたきものです。

生糸のように、繭から取り出した長い糸とは違い、
縒り合わせて紡いでいるので、糸のところどころに節(ふし)があります。

その節のある太い糸を織ったものを紬といいます。

生産地によってその特長はさまざまで、寒い地方の紬はふんわり暖かく
暑い地方で織られた紬は、シャリ感が強く涼しいという風に風合いが異なります。

代表的なものでは、牛首紬、結城紬、大島紬などがあります。

多くの場合、生産地の地名で呼ばれます。
もともと庶民の日常着であった紬だけに、
それだけ地域に密着した織物だったということですね。


●着れば着るほど

紬は日常着だけあって、丈夫です。
染めのきものほど気を使わなくても大丈夫。

その分、織りあがったばかりの新品の紬は、硬くゴワゴワして肌馴染みが良くありません。

これはジーンズと同じで、着れば着るほど味が出てきて、肌に馴染んできます。

昔は、家の使用人などに新品の紬を着せ、ようやく馴染んできた頃に主人がそれを着る
なんてこともあったそうです。

何年もかけて自分に馴染ませていく楽しみというのはいいですね。


●素朴な模様を楽しむ

紬をはじめとした織りのきものは、染めのきもののような華やかさはあまりありません。
染めによって色を生み出すのではなく、染めた糸を組み合わせて織ることによって
文様を生み出すからです。

その糸を染める染料も、草木染めなどは自然の染料を使っていて
素朴でやさしい色あいに仕上がります。


縞や格子などの幾何学文様が多く、飾らない印象です。

色使いも統一感のあるパターンが多いので、洋服の中でも浮きにくく
街着として活用できます。

ちなみに、私はほぼ一年中紬を着ていますが、気に入って作ったきものは
ほとんど縞模様です。
大小さまざまですが、気づくと縞模様を選んでいます。

縞は粋なカッコいいイメージ、格子はかわいいイメージがあります。

模様や色、風合いなどによって、素朴だったり粋だったり上品だったりと
一言で紬と言っても、印象は一つ一つ異なります。

紬



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Posted by たつみ流着付け橘通り教室  at 23:58 │Comments(0)着物の格織りのきもの
                               着物,着付け,宮崎市,たつみ流,着付け教室
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