2015年04月05日

染めと織り

●染めと織り

きものの種類は、大きく「染め」と「織り」に分けられます。

ここまで、着物の格として留袖から小紋までをご紹介してきましたが
これらはすべて染めのきものです。

染めはフォーマル、織りは普段着という分け方ではなく、
染めのきものにはフォーマルと普段着の両方があります。
ただし、フォーマルのきものはすべて染めのきものです。

染めと織りでは、染めの方が格が高いとされます。


●染めのきもの

きものは、一枚の布を縫って作ります。

その布は、糸を織って作ります。

まず糸を織って白布にしてから、色柄をつけたものを「染め」といいます。

生糸(きいと)と呼ばれる細くなめらかな絹糸で織られたきものは
しっとりとして柔らかな手触りで光沢があります。

「たれもの(やわらかもの)」と呼ばれます。
後から染めるので「後染め(あとぞめ)のきもの」とも言われます。

染めの技法は、「友禅染め」「絞り染め」「型染め」などがあります。


●織りのきもの

染めのきものは糸を織ってから布を染めるのに対し、
織りの着物は糸を先に染め、織りによって模様を出します。

先に染めるので「先染め(さきぞめ)のきもの」とも言われます。

織りのきものというと、紬(つむぎ)や木綿、麻などがあり、フォーマルには向きません。
基本的にふだん着です。

紬は織りのきものの代表格で、紬糸という真綿から紡いだ糸で織ります。
紡ぐことで独特の節が生まれ、織りあがると素朴な風合いになります。
ちなみに、真綿(まわた)も絹糸です。

手触りは、シャリ感があってツルツルしていたり、ふんわり温かみのあるものだったりと
糸によってさまざまです。

やわらかものに対して「かたもの」と言われることもあります。

着れば着るほど馴染み、味が出てきます。


●化繊のきもの

化繊の糸(ポリエステルなど)で織られたきものでも
白生地に染めが施されていて、訪問着などに仕立てられていれば
フォーマルな場にふさわしいきものです。

「きものは高いもの」=「結婚式などに着ていいもの」と思われがちですが
どんなに高級品でも紬はフォーマルな場にふさわしくありません。

ポリエステルのお手頃な訪問着と、何百万もする大島紬では
当然訪問着の方が格上です。

きものの格と素材や値段は別物なのです。



***
たつみ流着付け橘通り教室
岩崎千恵子





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Posted by たつみ流着付け橘通り教室  at 23:58 │Comments(0)着物の格
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